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中国旅行記
青島の名山・労山
労山(山偏に労)は山東省青島市の東50km、黄海に面して岩峰がそびえたつ名山。
中国の東端にそびえる海辺の山であることから、古来より山と海の徳を備え、神仙の住むところとされた。上清宮、太清宮、太平宮などの道教寺院が点在し、中国有数の道教聖地になっている。仏教寺院も山中に多く、最盛期には300もの寺廟があったといわれる。
主峰である1133mの巨峰をはじめ、花崗岩が風化してできた白い岩峰が並び立っている。
花崗岩によって磨かれた泉水は名水として名高い。名水の地に名ビール有り。かつて青島ビールは労山から湧き出る水を利用していた。青島ビールの工場が移転した現在でも、山麓にはまだビール工場があり、「労山ビール」を生産している。
労山は広い山中に見所が点在しているので、青島市内から1日ツアーに参加して訪れるのがいい。
太平宮景区
大平宮
労山東部の太平宮景区は、全面に黄海、背後に労山の岩峰が連なる景勝地。
その中心は道教の宮観「太平宮」で宋代の創建と伝わっている。ここから眺める労山は、獅子が咆哮しているような雄大な姿から「獅子峰」と呼ばれている。
天苑
太平宮からリフトで労山の中腹まで上がり、遊歩道をさらに登ると、岩山の山頂に出る。
百の寿の字が彫られた「寿岩」や、桃の形の岩、人面岩など、さまざまな岩の造形を見ながらリフトで山の中腹へ。ここからも黄海のビーチや山麓の村を見渡せるが、体力があれば、洞窟を抜けて山頂をめざしたい。
真っ暗な立体洞窟を階段で抜け、一線天という岩のすきまなど、なかなか楽しい登山道が続いている。
山頂が「天苑」。日本なら千畳敷とでも名付けられそうな、巨大な一枚岩が傾斜しながら広がっており、背後には険しく連なる白い岩峰、眼下には黄海と白い海岸線が一望できる。
帰りは、山頂の天苑をぐるりと一周して中腹のリフト駅まで戻ってくる。
寿岩。字体も大きさもさまざまな「寿」の字が、百も彫られている。
リフトから眺めることができる岩は、桃岩、人面岩などたくさんあって楽しい。
リフトの終点は、労山中腹の洞窟の入口になっている。
ツアーに参加すると、山頂に上る客のために小さな懐中電灯を渡される。洞窟の中は立体になっていて、電燈もない暗闇の中に急な階段が続き、手元の明かりを頼りに登る。
洞窟を抜けると、岩に挟まれた一線天など、変化に富んだ遊歩道が山頂に延びている。
山頂の天苑からは、眼下に黄海に面した弓状の海岸線と、労山の主峰・巨峰が眺められる。
帰りは、山頂の巨岩を一周するコースをたどると、リフト駅まで戻ってこられる。
華厳寺
清朝初期に創建された仏教寺院で、労山では最大規模の禅寺。
本殿に至る参道は、労山山中に新しく整備され、象が支えるインド風の山門がそびえている。
山中の本殿・大悲殿は、境内に線香の煙が絶えない中国の伝統様式のお寺。岩に大きく彫られた「縁」の字がある。
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上清宮景区
上清宮景区は、労山の南部、黄海に突き出た岬と、その背後の山中にある道教寺院が特徴。
滝の上流にある山中の「上清宮」と、海に面した半島にある「太清宮」は労山の二大宮観で、規模が大きい道教建築物が見られる。
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